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2025.12.24

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有価証券報告書における借入金の注記事項とは?実務ポイントをおさえてわかりやすく解説! 

有価証券報告書における借入金の注記事項とは?実務ポイントをおさえてわかりやすく解説! 

決算期になると、経理・財務担当者の大きな負担となるのが、有価証券報告書(有報)における「借入金」に関する資料作成です。借入金は企業の資金調達に直結しており、金額的重要性・資金繰りへの影響ともに大きいため、監査法人からも厳しいチェックが入る領域です。しかし実務の現場では、「借入金等明細表(附属明細表)」と「金融商品関係注記」の整合性が取れない、Excelの集計ミスが発生する、といった問題が繰り返し起きています。 

本記事では、有価証券報告書における借入金開示の全体像と、監査対応を強化しつつ資金調達情報を正確に管理するための実務ポイントを整理します。 

有価証券報告書における借入金開示の全体像 

まず、有価証券報告書における借入金関連の情報は、次の2か所で開示されます。両者の整合性が取れていることが監査の前提となります。 

● 借入金等明細表(附属明細表) 

役割:貸借対照表科目の内訳を数値で示す一覧表 
主な項目: 

  • 期首・期末残高 
  • 平均利率 
  • 返済期限 
  • 借入金の資金調達条件 

● 金融商品関係注記 

役割:借入金を含む金融負債全体のリスクや管理方針を文章と数値で示す開示 
主な項目: 

  • 返済予定額(キャッシュ・アウトフロー)の時系列 
  • 財務制限条項(コベナンツ) 
  • 金利リスク・流動性リスクの説明 
  • 企業の資金調達方針 

形式は異なりますが、どちらも根拠となるのは各借入契約書の情報です。少しでも数値や前提条件がズレると、監査で重大な指摘につながります。 

実務担当者が特に注意すべき3つの落とし穴 

1.「1年基準(ワン・イヤー・ルール)」の振替処理 

借入金開示の最重要ポイントが、短期借入金と長期借入金の区分です。特に、 
長期借入金のうち翌期に返済期限が到来する部分(1年以内返済予定の長期借入金) 
は、流動負債へ振り替える必要があります。 

実務で多いミス: 

  • Excelの数式漏れで翌期返済額が正しく算定されない 
  • 期限前弁済などの返済スケジュール変更が台帳に反映されていない 

小さなズレでも、有報の借入金合計と附属明細が一致しなくなるため注意が必要です。 

2. 「平均利率」算出に潜む煩雑な計算 

借入金等明細表では、多くの場合「借入区分ごとの平均利率」を記載します。しかし、正しい平均利率を出すには、各借入契約の金利条件を正確に把握しなければなりません。 

確認ポイント: 

  • 変動金利の場合、期末基準金利(TIBOR等)で洗い替えされているか 
  • 契約ごとのスプレッドを正しく加算しているか 
  • 金利スワップを適用している場合、実質金利で算定されているか 

最終的に開示されるのはシンプルな数字ですが、その背景には高度な資金調達契約の理解が必要です。 

3. 財務制限条項(コベナンツ)抵触時の会計処理 

近年、借入金に付随する財務制限条項は監査法人が注目する項目の一つになっています。抵触した場合には、たとえ契約上は長期でも、会計上は短期借入金として扱う必要が生じるケースがあります。 

実務上の問題点: 

  • 契約書の確認不足でコベナンツの存在を把握していない 
  • 抵触の有無を自動判断できず、判定が担当者の属人的対応に依存している 

資金調達構造を正しく評価するためにも、コベナンツ管理は必須です。 

Excelによる借入金管理が限界を迎える理由 

多くの企業がExcelで借入金管理を行っていますが、以下の理由から開示・監査対応に限界があります。 

情報の分散と属人化 

契約書、返済予定表、残高証明、コベナンツ一覧などが別々に管理されており、最新情報の確認に時間が掛かります。 

条件変更への対応力の低さ 

金利改定や資金調達条件の見直しがあっても、手作業で更新する運用では履歴管理も難しく、計算式が壊れるリスクもあります。 

監査対応の非効率性 

監査人から「平均利率の根拠」や「1年内返済予定額の計算プロセス」を求められた際、Excelの複雑なリンクを説明するのは困難です。 

借入金は資金調達の中心的な手段であり、情報の正確性と一貫性は至上命題です。 

借入金管理をシステム化するメリット 

正確な借入金開示を実現し、監査対応の負荷を軽減するには、COURAGEUXのような借入金管理をシステムを導入し、契約情報をデータベースとして一元管理することが有効です。 

システム化の主な効果 

  • 「1年内返済予定額」などの振替計算を自動化 
  • 金利条件(変動金利、新TIBORなど)の改定を自動反映 
  • コベナンツの一元管理で抵触リスクを早期把握 
  • 有報・短信用データを即時集計できるため、資金調達情報を正確かつタイムリーに開示可能 

借入金は資金調達の根幹であり、システム化により信頼性と効率性を大きく向上できます。 

まとめ 

有価証券報告書における借入金の開示は、企業の財務安全性や資金調達力を投資家へ示す重要な開示です。 
平均利率や返済期限、コベナンツといった項目は、一見シンプルな数字に見えて、背後では多くの契約条件が絡み合っています。 

Excel管理から脱却し、借入金と資金調達情報を統合的に管理できる仕組みを整えることは、決算業務の効率化だけでなく、内部統制の強化にもつながります。 

監査に強く、正確でスピーディな開示体制を構築するためにも、借入金管理の仕組み化を検討することが重要です。 


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