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2025.11.17

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インタレスト・カバレッジ・レシオ(ICR)とは?借入金管理におけるICRの重要性について詳しく解説! 

インタレスト・カバレッジ・レシオ(ICR)とは?借入金管理におけるICRの重要性について詳しく解説! 

企業の財務健全性を測るうえで、最も基本的かつ重要な指標のひとつが「インタレスト・カバレッジ・レシオ(Interest Coverage Ratio:ICR)」です。
この指標は、企業が営業活動で得た利益によって、どの程度利息支払いに余裕があるかを示すもの。
銀行や投資家はもちろん、財務担当者にとっても資金調達リスクを把握するうえで欠かせません。

本記事では、ICRの意味や計算方法、目安値、そして借入金管理における活用方法について詳しく解説します。

ICRとは?企業の「利息返済能力」を示す指標

ICR(インタレスト・カバレッジ・レシオ)は、日本語で「利息支払能力比率」と呼ばれます。
企業がどれだけ営業利益で利息支払いをカバーできているかを示す指標で、一般的には以下の式で算出されます。

ICR = 営業利益 ÷ 支払利息

この数値が高いほど、企業は利息の支払いに余裕があると判断されます。
たとえば、営業利益が1億円、支払利息が2,000万円の場合、ICRは「5倍」となり、営業利益で利息を5回分カバーできることを意味します。

ICRの目安:どのくらいあれば安心か?

ICRの「理想値」は業種や財務体質によって異なりますが、一般的な目安は次の通りです。

1倍未満:営業利益で利息をまかないきれず、財務リスクが高い状態

1〜3倍未満:注意が必要。借入金の負担が利益を圧迫している可能性あり

3〜5倍以上:安定的。金融機関からの評価も良好

10倍以上:極めて健全な状態

特に金融機関は融資審査や格付け評価の際にICRを重視します。
同じ売上規模でも、ICRが低い企業は「借入金返済に不安がある」と見なされ、借入条件が不利になるケースもあります。

ICRが低下する原因とは?

ICRが低下する主な要因は、大きく分けて2つです。

■営業利益の減少
 景気悪化や原価高騰などで営業利益が減ると、ICRは直ちに悪化します。
 特に金利が上昇傾向にある局面では、金利負担増と利益減少が重なりやすく、注意が必要です。

■支払利息の増加
 変動金利型借入の比率が高い企業や、短期借入を多用している企業では、金利上昇がICRを大きく押し下げます。
 そのため、金利動向を踏まえた資金調達計画が重要になります。

借入金管理におけるICRの重要性

COURAGEUXのような「借入金・資金調達管理システム」を活用する企業では、
ICRは単なる分析指標ではなく、資金調達戦略の意思決定に直結するKPIとして位置づけられます。

  1. 金利上昇局面でのリスク把握

金利環境が変化する中で、ICRを定期的にモニタリングすることで、
「今の借入ポートフォリオでどの程度の金利上昇まで耐えられるか」を可視化できます。
この分析があれば、スワップ契約や固定化戦略の判断にも役立ちます。

  1. オールインコストとの関連性

ICRが示すのは「返済能力」であり、オールインコストが示すのは「資金調達コスト」です。
両者を組み合わせることで、
「コスト構造と返済余力をバランスよく管理する」財務マネジメントが可能になります。
COURAGEUXでは、これらの指標を自動算出・比較できるため、担当者がExcelで個別に試算する手間を大幅に削減できます。

  1. 取引銀行との関係維持

銀行は融資条件を決定する際、ICRを含む複数の指標(自己資本比率、Debt/EBITDA倍率など)を総合的に見ます。
ICRが低下すれば、融資枠縮小や条件変更の打診を受ける可能性も。定期的なICRの確認は、金融機関との信頼関係維持にもつながります。

ICR改善のためのアプローチ

ICRを高めるには、「営業利益を増やす」か「支払利息を減らす」しかありません。
しかし財務の現場では、短期的に営業利益を大幅改善することは難しいため、
以下のような金融戦略的アプローチが効果的です。

■金利条件の見直し(交渉またはリファイナンス)

■固定金利への切替やスワップ契約による金利上昇リスクの抑制

■長期借入へのシフトで返済負担を平準化

■余剰資金の活用による有利子負債の削減

COURAGEUXのように、借入金の残高・利息・金利条件を一元管理できる仕組みがあれば、こうした改善施策をシミュレーションしながら実行できます。

まとめ:ICRは「借入金戦略の健康診断」

ICRは単なる財務指標ではなく、企業の資金調達力とリスク耐性を示す“健康診断書”のような存在です。
財務担当者は、月次・四半期ごとにICRを確認し、金利上昇や利益変動への備えを講じる必要があります。

借入金管理システムを活用すれば、ICRを自動計算し、
部門別・銀行別・通貨別など多角的にモニタリングすることが可能です。
データに基づいた財務判断が、安定した資金繰りと健全な財務体質の維持につながります。


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