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2024.12.11

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財務部門が行うべきコンプライアンス強化の重要ポイントと実務対策

財務部門が行うべきコンプライアンス強化の重要ポイントと実務対策

企業の財務部門は、資金管理や会計処理、決算業務を通じて企業の基盤を支えていますが、これらの業務には法令や規制の遵守が不可欠です。法的なリスクを低減し、信頼性のある財務報告を実現するためには、財務部門が主体的にコンプライアンス強化に取り組む必要があります。本記事では、財務部門が行うべきコンプライアンス強化の重要なポイントと、実務に役立つ対策について解説します。 

 

財務コンプライアンス強化の目的 

 財務部門におけるコンプライアンス強化の主な目的は以下の通りです。 

1.法令遵守の徹底:企業が会計基準、税法、金融規制に沿って業務を行い、法令違反のリスクを回避します。

2.内部統制の信頼性向上:内部統制が適切に機能し、財務データの正確性と信頼性を確保します。

3.不正やミスの防止:会計処理や資金管理における不正やミスを防ぎ、透明性のある業務を実現します。

財務が注力すべき主なコンプライアンス領域 

 財務部門がコンプライアンス強化を図る際、特に注力すべき分野は以下の通りです。 

1.会計処理の正確性IFRSや日本基準といった関連する会計基準に基づき、仕訳、照合、財務諸表を定期的にレビューすることで、コンプライアンスを確保します。収益認識、費用計上、棚卸資産評価はコンプライアンス上の問題が発生しやすい領域であるため、特に注意が必要です。

2.税務コンプライアンス:企業が法人税、消費税、源泉徴収税などの税法を遵守しているかを確認し、正確な税務申告が期限内に行われていることを保証します。税務に関する法令違反はリスクが大きいため、綿密な確認が求められます。

3.資金管理:資金の入出金や支出の正当性を確認し、資金繰りの状況を適切に管理することも重要です。不正や過剰な支出がないか、承認フローが守られているかを定期的に監視し、健全な資金管理を維持します。

4.契約書管理:金融機関との借入契約やリース契約など、財務に関わる契約が法令や規定に従って適正に管理されているかを確認します。契約書の適正な管理は、トラブル防止やリスク軽減に重要です。 

財務コンプライアンス強化の主な手法 

 財務部門がコンプライアンスを強化するためには、以下の手法が有効です。 

1. ドキュメントレビュー:帳簿、決算書、契約書、証憑(領収書や請求書など)の確認を通じて、業務が法令や内部規定に沿って行われているかをチェックします。

2.インタビューとヒアリング:財務担当者や管理者に対する聞き取り調査を行い、業務実態を把握しながら内部統制の整備状況を確認します。現場での運用状況の理解を深め、改善点を特定します。

3.プロセス検証:資金管理や経費精算のプロセスを追跡し、各手続きが適正に行われているかを確認します。承認フローや入出金手続きが確実に守られていることを証明するための重要な方法です。

4.テストチェック:特定の会計処理や資金管理をサンプルとして詳細にチェックする方法で、不正やミスの可能性を早期に発見し、信頼性を確保します。 

財務コンプライアンス強化における課題と対応策 

 財務コンプライアンス強化には、いくつかの課題も伴います。特に、法令や規制の複雑さが対応の難易度を上げることがあります。 

1.法令の変化に対する対応税法や会計基準の改正に適応するため、最新の法令に関する情報をチーム内で共有し、研修を定期的に行うことで、対応力を高めます。

2.業務負担の増加:コンプライアンス強化のために、書類やデータの整備が必要となり、業務負担が増えることがあります。効率化のために、デジタル化を進めてペーパーレス化やクラウド管理を活用することで、作業の負担軽減を図ります。

3.部門間の連携:コンプライアンスは財務部門のみならず、法務部門や経理部門、内部監査部門とも連携することが求められます。特に、税務や法務に関する事項は情報を共有し、緊密に協力することで、より強固なコンプライアンス体制を築くことができます。 

コンプライアンス強化のプロセスと継続的改善 

 コンプライアンス強化は、一度の対策だけでなく、継続的な改善が求められます。コンプライアンスに関するフィードバックを元に、財務部門の業務プロセスを定期的に見直すことで、企業の透明性と信頼性が向上します。 

1.改善計画の策定コンプライアンスの監査や内部評価で指摘された点があれば、原因を分析し、改善計画を策定します。具体的な目標を設定し、進捗を定期的に確認して改善の達成状況を把握します。

2.業務プロセスの再評価:たとえば、承認フローや記録の保存方法を再評価し、より効率的かつ確実にコンプライアンスが守られるようにプロセスを改良します。

3.内部監査の実施:定期的に内部監査を実施し、コンプライアンス体制の整備状況を確認します。内部監査のフィードバックを反映することで、長期的にコンプライアンスを維持し、外部監査や法的要求にも対応しやすくなります。 

まとめ 

 財務部門がコンプライアンス強化に取り組むことは、企業の財務活動に信頼性と透明性をもたらします。
会計基準や税法の遵守はもちろん、内部統制の強化や業務の効率化を通じて、財務報告の精度が向上し、企業の健全な成長を支えます。
財務部門が主体的にコンプライアンス強化を図ることで、リスク管理や信頼性のある業務運営が可能となり、企業全体の発展に寄与します。
 


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