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2024.7.10
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キャッシュフローの基本とは?種類とその重要性を徹底解説!

キャッシュフローの管理は、企業の財務健全性を保ち、成長を促進するために不可欠です。キャッシュフローには主に三つの種類があり、それぞれが企業の異なる活動に関連しています。本記事では、キャッシュフローの三つの種類について詳しく説明し、特に財務キャッシュフローに焦点を当てて、その重要性と管理方法について解説します。
目次
キャッシュフローの種類
1. 営業キャッシュフロー (Operating Cash Flow)
営業キャッシュフローは、企業の本業から生じる現金の流れを示します。具体的には、商品の販売やサービスの提供から得られる収入と、それに関連する支出を含みます。営業キャッシュフローは、企業の日常業務のパフォーマンスを反映し、以下の要素が含まれます。
売上収入: 商品やサービスの販売による現金収入。
営業費用: 材料費、労務費、光熱費などの営業活動に伴う支出。
営業外収益および費用: 例えば、営業外利息収入や支出。
営業キャッシュフローがプラスであれば、企業は本業で利益を上げていることを示し、健全な財務状況を保っていると判断されます。
2. 投資キャッシュフロー (Investing Cash Flow)
投資キャッシュフローは、企業の将来的な成長のために行う投資活動に関連する現金の流れを示します。新しい機械設備の購入や不動産の取得、あるいは既存資産の売却などが含まれます。投資キャッシュフローの主な要素は以下の通りです。
固定資産の購入: 設備、土地、建物などの長期資産の取得。
固定資産の売却: 不要になった資産の売却による現金収入。
投資収益: 株式や債券などの金融資産から得られる収入。
投資キャッシュフローがマイナスであることは一般的に、新たな投資を行っていることを意味し、企業の成長を促進するポジティブなサインと見なされることがあります。
3. 財務キャッシュフロー (Financing Cash Flow)
財務キャッシュフローは、企業が資金を調達したり、返済したりする活動に関連する現金の流れを示します。財務キャッシュフローには以下の要素が含まれます。
資金調達: 銀行からの借入、社債の発行、株式の発行など。
返済: 借入金の返済、社債の償還など。
配当金の支払い: 株主への配当金の支払い。
財務キャッシュフローの重要性
財務キャッシュフローは、企業がどのようにして資金を調達し、それをどのように返済しているかを示します。このキャッシュフローがプラスであれば、企業は新たに資金を調達していることを示し、マイナスであれば、借入金の返済や配当金の支払いを行っていることを示します。財務キャッシュフローの管理は、企業の資金繰りや資本構成を健全に保つために重要です。
財務キャッシュフローの営業キャッシュフローや投資キャッシュフローとの関連
財務キャッシュフローと営業キャッシュフロー、投資キャッシュフローは密接に関係しており、3つの流れを把握することで、企業の資金の流れをより深く理解することができます。
1. 営業キャッシュフローとの関連
営業キャッシュフローは、企業の本業におけるキャッシュの流入出を示します。財務キャッシュフローは、この営業キャッシュフローで創出した資金を元手に、借入金の返済や配当金の支払いなどを行っていると言えます。
営業CFがプラス、財務CFがマイナスの場合:
本業で稼いだ資金で、借入金の返済や株主還元を行っている健全な状態を示唆します。
営業CFがマイナス、財務CFがプラスの場合:
本業でキャッシュを生み出せておらず、資金調達に頼っている状態を示唆します。
2. 投資キャッシュフローとの関連
投資キャッシュフローは、将来の収益獲得のための設備投資や有価証券投資などを示します。財務キャッシュフローは、投資キャッシュフローに必要な資金を調達する役割も担っています。
投資CFがマイナス、財務CFがプラスの場合:
新規事業への投資や設備投資などのために、資金調達を行っている状態を示唆します。
将来の成長が期待できますが、投資の回収可能性には注意が必要です。
投資CFがプラス、財務CFがプラスの場合:
保有資産の売却などにより、投資キャッシュフローがプラスになっている状態です。
売却益を借入金返済などに充てていると考えられます。
3つのキャッシュフローの関係性
理想的な状態としては、まず「営業キャッシュフロー」で安定的にキャッシュを生み出し、その資金を「投資キャッシュフロー」に回し、将来の成長のための投資を行うことです。そして、「財務キャッシュフロー」では、事業活動に必要な資金を調達したり、余剰資金を株主還元などに活用します。
このように、3つのキャッシュフローは相互に関連し合っており、企業の資金の流れを総合的に分析することで、企業の現状や将来性をより深く理解することができます。
資金調達の計画
効果的な資金調達計画を立てることは、企業の成長を支えるために不可欠です。資金調達方法としては、以下の選択肢があります。
エクイティファイナンス (Equity Financing):
株式を発行して資金を調達する方法で、負債を増やさずに資金を調達できますが、既存株主の持ち分が
希薄化するリスクがあります。
デットファイナンス (Debt Financing):
銀行からの借入や社債の発行による資金調達で、利息の支払いが必要ですが、税務上のメリットがあります。
ハイブリッドファイナンス (Hybrid Financing):
転換社債や優先株式など、エクイティとデットの特徴を持つ資金調達方法です。
キャッシュフロー予測
財務キャッシュフローの予測は、企業が将来の資金需要を見積もり、適切なタイミングで資金調達や返済を行うために重要です。予測に際しては、以下の要素を考慮します。
短期および長期の資金需要: 将来のプロジェクトや設備投資、運転資本のニーズを見積もります。
資金調達のコスト: 金利や発行コストなどの資金調達にかかる費用を計算します。
リスク管理: 市場リスクや信用リスクを考慮し、リスク分散の戦略を立てます。
返済計画
借入金や社債の返済計画を立てることも重要です。返済計画は、企業のキャッシュフローの安定性を保ち、財務健全性を維持するために不可欠です。返済計画には、以下の要素が含まれます。
返済スケジュールの設定: 借入金や社債の返済期日を明確にし、計画的に返済を進めます。
再融資の検討: 低金利の環境下では、既存の借入金を再融資して返済負担を軽減することを検討します。
資金繰りの調整: 返済スケジュールに合わせて、営業キャッシュフローや投資キャッシュフローを調整し、
返済に必要な現金を確保します。
結論
財務キャッシュフローは、企業の資金調達と返済活動を管理するための重要な指標です。効果的な資金調達計画と返済計画を立てることで、企業は財務健全性を維持し、持続的な成長を実現することができます。財務担当者は、キャッシュフローの予測と管理に注力し、企業の長期的な戦略を支えるための財務基盤を構築することが求められます。